名ゼリフの考察。
発言の背景
強過ぎる力はまた争いを呼ぶ、というカガリ・ユラ・アスハの発言に返して掛けられたセリフです。
機動戦士ガンダムSEED Destiny 第1話 2:40のセリフ
力が、兵器があるから争いが、戦争がなくならないのだという主張に真っ向から反論するこの言葉。
そもそも争いは無くならない、という前提に立ったセリフです。
教訓
それが人間の真理でもあるのでしょうか。
一緒に生活する人間の間の平和状態は、なんら自然状態ではない。自然状態は、むしろ戦争状態である。
『永遠平和のために』イマヌエル・カント
加えて軍需産業や政治など、人間社会には戦争を生む温床が根強く存在し、多様な人間が存在する以上はなかなか戦争を無くすことは難しいのが現状なのかもしれません。
ガンダムシリーズではしばしばこのことが話題に登ります。
完全平和主義を掲げるサンクキングダムを取り巻くガンダムWの舞台では、ゼクス・マーキス(ミリアルド・ピースクラフト)が同様の発言をします。
戦争を完全に無くすには、全ての武器を無くすだけではなく人々から戦う意思を無くすことが必要だと。
またVガンダムではそれを達成するために強制的に人々の精神をある意味破壊してしまうエンジェル・ハイロゥが出現します。
ターンエーガンダムでは文明諸共消滅させる月光蝶が究極の最終兵器として描かれます。
そしてガンダムの世界観の主軸のひとつである『ニュータイプ』は、兵器として利用されがちですが本来は『互いを理解し合える』能力を備えた人間という意味もあります。
それも争いを無くす一つのスキルになる可能性はあるように思います。
ただ、それだけでは恐らく争いは無くならず、それだけ人間社会の争いを止めるのは難しいということです。
それならば、結局人は防衛のために力を持つことになります。
日本国憲法第二章第九条
日本国憲法, 2022年時点
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
その上で自衛隊という武力を保持するのは、まさにデュランダルの言う言葉そのものです。
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